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高等科NEWS

『沖縄からアジアが見える』を読んで|1D18 竹内 智紀

 僕は、『沖縄からアジアが見える』という本を読んで、沖縄に対する見方が変わりました。もともと僕にとって沖縄という場所は、イメージし難い場所でありました。なぜなら沖縄は、その島ならではの独特な文化を持っていたし、日本の本土から離れているために行く機会もなく僕にとっては位置的にも、精神的にもとても遠く離れた場所でしかなかったからです。でも、この本を読んでみると沖縄という場所が少し近くなったような気がします。この本は沖縄の文化や歴史について多く触れていて、沖縄に対してイメージし難かった僕に、沖縄という場所のイメージを作るためのとても良い資料となりました。
 僕がこの本で知った沖縄ならではの独特の文化はたくさんあります。例えば、沖縄はかつて独自の王国を形成し、17世紀以降薩摩藩の支配下にあったにもかかわらず異国としての扱いを受けたこともあって、廃藩置県が沖縄にも施行された時には、沖縄は標準語教育にとても強いこだわりを持ちました。そのため政府は、方言は悪いものだと決め付け、そういう考えを地域社会に広めようとしました。学校では、方言を使った生徒を罰するための方言札というものがありました。これは沖縄以外にはありません。この札は学校内で方言を使った生徒の首に下げられました。その人は方言を使う生徒を見つけるまで、その札を首に下げるという罰を受けました。この制度は、沖縄を日本の本土に近づけようとしていて、本土に沖縄も日本なのだというアピールをしているようにも思えます。でも本土は、方言を使う地方でもこういってことは行いません。沖縄と本土では方言を使うことへの考え方がかなり違うのです。
 沖縄は本土の中でも文化が違うということもこの本で知りました。沖縄のある地域と別の地域では同じ言葉が示す意味が違うということです。その言葉は本土では聞かないので沖縄の方言なわけですが、沖縄という小さな島でも方言の種類がいくつかあるのかと思うととても驚きました。しかし、それでは会話をする時に不便ではないかとも思いました。それなりに小さな島の内部で言葉の示す意味が違ってくると、少し遠くのほうへ行っただけで言葉が通じなくなってしまうからです。しかし、こういった面も沖縄の独特な文化なのだと思いました。
 しかしながら、今日、そのような地域ごとの文化の差異や方言がなくなっているそうです。その地域の文化が少し消えていっているのはとてもさびしいことですが、沖縄が本土に近づくにつれてそうなるのも仕方ないなと思いました。僕が沖縄に行く時にどれくらいの文化が残っているか気になります。 

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