2012年3月アーカイブ

 息子はアメリカ東部コネチカット州で生まれました。マンハッタンから電車で五十分。軽井沢と鎌倉が一緒になったような緑多い海沿いの町でした。夏はサマータイムで九時頃まで明るいので、会社が終わってから公園でテニスをしたりソフトボール大会をしたり、ビーチでお喋りをしたり。こんな人生を送る人々もいるのだなと羨ましく思いました。
 小学校三年の時にはハンガリー共和国に転勤し、息子はアメリカンインターナショナルスクールに通いました。学年三クラス、計五十四名が三十一か国から集まった、まさしくインターナショナルな学校でした。幼稚園から高校までで数えると五十か国に及んでいました。年一回のインターナショナルウィークでは料理や文化、遊びなどを披露し合い理解を深めます。フィナーレは民族衣装に身を包み国旗を掲げて行進です。さながらディズニーランドのイッツ ア スモールワールドのようでした。年若いうちに自国の文化について考え、世界には様々な文化や言葉を持つ人々がいることを体感できたことは、息子にとって貴重な経験になったことと思います。
 ハンガリーから西へ車で少し走るとオーストリア、どんどん行くとスイス、イタリア。家の造りも挨拶も食べ物も少しずつ変わっていきます。国境はあれども様々な国が地続きでその境目は文化が混じりあっている様を感じたことも貴重な経験になったと思います。
 インターネットの普及で画面上では瞬時に世界中に行けます。でもできれば若いうちに自分の足で外国の地に立ってみるのが良いと思います。学習院生の礼儀正しく誠実な人間性は言葉や文化を超えて通じると思います。自信を持って世界に羽ばたいて行ってほしいと思います。

H23年度 『高等科だより 126号』 より転載

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