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在校生父母

高校生活で遣り残したこと 1年父 西野 義幸

 私が高校生活を送った昭和五十年代後半は、詰込教育と受験戦争の色濃く残る時代でした。授業は、大学受験を意識した予備校のような授業で、来る日も来る日も知識を詰込むといった感じでした。そのような中でも、やはり青春真只中、バンドや応援団、生徒会に学業以上にのめり込み、苦楽を共にした、かけがえのない友人を得ることが出来ました。大人になるにつれ、人は打算的になるものです。高校時代は損得抜きで付き合える「一生の友」を作る良い機会です。是非皆さんにも部活動等高校生活を通じ、心の財産となる友人を見つけて頂きたいと思います。
 さて、私自身、社会に出た後、高校生の頃もっと頑張るべきだったと後悔することは、現代史(当時受験での出題比率が低く重要視されてませんでした。)と語学の習得でした。何故なら、私は仕事の関係で、一年の半分近くを海外で過ごしていますが、ビジネスの場面では、我国の歴史を知り、相手の背景を理解し、自分の言葉で直接対話をすることが、国の垣根を越えて信頼関係を構築する上で非常に大切なこととなるからです。
 私は幸いにも二十代最後の年に、企業派遣留学生として二年間のやり直しの機会を得る事ができ、やがてこの留学が人生の転機となりました。ただ残念な事に、三十前後の「おじさん留学」では習得した語学も流暢さに欠ける点は否めません。「鉄は熱いうちに打て」といいます。若く感性豊かな高校時代に海外の文化に直接触れ、その国の歴史的背景を知り、語学を磨いていくことは人生の財産となることは間違いありません。最近、日本の若者の留学離れが進んでいると聞きますが、世界は益々小さくなってきています。高校生活に悔いを残さない為にも、勇気を胸に一歩踏み出してみては如何?

H23年度 『高等科だより 125号 より転載』

「裁判員裁判」雑感 1年父 徳田 薫

 仕事柄,裁判員裁判に対する皆さんの意識や考え方に関心を持っています.この制度の開始まで三年を切りました.拙稿をお読みになっている皆さんの中でも,三年後 には,裁判官と並んで刑事裁判に参加されておられる方がいると思います.しかしながら,各種のアンケート結果等をみると,この制度の意義が十分に伝わっているとは 言い難いようです.
 ところで,日本は「格差社会」であると言われることがありますが,この背景にあるのは,「他人事」には関心を寄せず,自分と家族や友人等の「身の回り」だけが豊 かで幸せであればいいという意識だと思います.「格差」をなくすためには,社会保障の拡充も重要ですが,何よりも,私たちが同じ社会,同一の共同体の中で生活して いるという意識を育むことが必要だと思います.
 そこで裁判員裁判ですが,この制度は,裁判員の皆さんが,日常生活の中で培った常識や感覚を,それぞれの言葉で伝え合うことが前提とされています.つまり,裁判 員裁判は,社会の中で生起した犯罪を「共通」のテーマとし,自分の意見を述べ合うことにより成り立つ制度です.このような制度を根付かせることは,単に裁判が身近 になるにとどまらず,私たちの間に,「同じ社会,同一の共同体の中で生活している」という意識を醸成することに繋がるのではないでしょうか.
 さて,父親の視線でみると,学習院で学ぶ長男,二男は恵まれた環境の中で,良き友人を作り,有意義な学生生活を送っているようです.彼らの成長を楽しみ にしつつ,願わくば,学習院の教育理念である「豊かな感受性」を育んで,社会の出来事を自らの問題として関心を持つようになって欲しいと思っています.

リーダー像とは 2年父 上野 影典

 我家では,長男が大学三年,次男が高校二年におり,学習院の一貫教育というフレームの中で,勉学にいそしみ,友人に恵まれ,学園生活をエンジョイしてお り,紙面をお借りし,厚く御礼申しあげます.本日は,若き高校生が,次代のリーダーを目指すに際し,リーダー像とは何かという題目で話を進める.リーダー 像は,会社も学校も,基本的には同じと考える.今回皆さんが馴染みの薄い会社を例に,リーダー像に関して述べる.リーダーとはどの様な存在であるべきか述 べろと言われて直ぐに答の出る人は少い.先ず,リーダーとマネジメントとを対比して述べる.マネジメントは,学校に関係ないと思うだろうが,学校でも部活 動で,マネジャーという職務があり,この活躍如何で,部活動に相当の差が出る.リーダーとは,会社においては 自 ら先頭に立ち,ビジョンを示し,実行戦略を構築し,率先して実行に移すのがあるべき姿である.又,外部より敵が攻めてくる時には,自ら先頭にたち,果敢に 立ち向い,防衛に当る事により,組織員に勇気,希望,活力を与えるのが,リーダーである.一方,マネジメントだが,リーダーはヒートアップさせる面を持つ 反面,マネジメントはクールダウンさせる面を持つ.つまり,経営では限られた資源の,人,もの,金,情報を有効に活用し,配分する冷徹さ,緻密さが要求さ れる.又,マネジメントの本質は,組織員が規律を守り,主体的に参加し,能力を十二分に発揮出来る環境を作る事である.それでは,リーダーとなるには,具 体的にどの様な資質を持っているべきか.日本の会社には,リーダーの条件,資質を具体的に文字に表わしている会社は見当らないが,米国の世界的企業のGE 社(ジェネラル・エレクトリック社) では,リーダーの条件を八ヶ条に纏めている.GE社が求めるリーダーの条件は,(1)明確なビジョンを持つ (2)次代のリーダーを育てる (3)情熱を 持ち結果を出す (4)日々変革 (5)チームワークを大切にする (6)スピードを持って仕事に取組む (7)高い品質を追求する (8)企業倫理を遵 守する,以上の八つだが,これは多国籍企業であるGE社にとって,世界的に共通のリーダー像である.以上,総てが学校に当てはまる訳ではないが,参考にな る面が多いと思う.時間がある人は,GE社では何故この様な資質をリーダーの条件に入れたか,又皆さんであれば 上記以外に,どの様な資質を条件に入れる か,考えてみて下さい.

「将来体験学習」を見学して 3年母 菊池 直子

 今年の二月,高二の幹事数名で日本ユニシス・ラーニング(株)にて実施された「将来体験学習」を見学させていただきました.昨年第一回目が実施され,雑 誌アエラや読売新聞等に掲載され注目を集めました.高等科生の中には何の為に大学へ入るかが漠然としたままで進学し大学への進学と将来の自分をリンクして 考えることが出来ない生徒が少なくないというのも現状のようです.現在社会問題にもなっているニートやフリーターの増加はこれから大人になる子を持つ親と しては正直なところひとごとではないのです.
 今回も日本ユニシス・ラーニング(株)が一般企業の新入社員研修用に開発したプログラムを利用しグループに別れ,新会社を設立する起業シミュレーション など学校の授業では普段出来ない興味深いカリキュラムでした.限られた時間の中で作業学習を進めて行くにはチームワークが重要になってきます.コミュニ ケーションの必要性を実感するとともにグループ中で自分は何をするべきかを考えます.そうすることによって自分の強みや弱みに気づき自分自身の理解も深ま ります.そういったことから自分の将来が少しずつ見えて来るのではないでしょうか.最初は何が始まるのかと不安そうにしていた生徒たちでしたが次第に好奇 心やチャレンジ精神に溢れた表情に変わっていく様子に私自身とても感動いたしました.我が子も是非参加させたいと強く希望しておりますが今年は実施される 計画が未定と伺っております.是非毎年恒例になる ことを期待しております.

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