高等科NEWS
2020年度入学式


学習院高等科 科長
武市憲幸
高等科入学式告辞
「新入生のみなさん、入学おめでとうございます。」
4月7日、君たちにこの言葉をかけて新年度のスタートとなるはずでした。みなさんもご存知のように新型コロナウイルの感染拡大という事態を受けて休校措置がとられ、およそ2か月遅れの入学式となってしまいました。本来ならば、在校生の諸君、保護者の方々、来賓の方々をお招きして式が行われるはずでしたが、感染防止を考えてこのように新入生のみなさんと教員のみの形になりました。時期が遅れたとはいえ、君たちが高等科に入学して、これから生徒の一員として新たなスタートを切るための大事な行事である、と考えてこのような形で入学式を行なうことに至りました。
現在こうして壇上からとはいえ、君たちに直接語りかけることが出来て、うれしい気持ちでいっぱいです。休校期間中、生徒たちのいない学校は、なんとも奇妙で空虚な空間でした。このような状態がこのような期間続くということは私も未だかつて経験したことがなく、とにかく君たちにこうして会うことが出来て本当に良かったと思っています。
とはいえ、今日から新型コロナ以前の日常が戻って来るのだ、とはとうてい言えません。さらに、そのような意識を持つことはきわめて危険なことだと思います。このウイルス自体まだ不明な部分が多く、ワクチン開発にもしばらく時間がかかる、と言われています。一旦状況が落ち着いたかのように見えても、第2波の感染拡大がいつ訪れるか、予断を許さない状況であることは、みなさんもご承知の通りです。学校を再開するにあたって、私たちは、様々な感染防止策を講じて来ました。しかし何よりも大切なのは君たちの意識です。新型コロナウイルスを経験する以前の日常、世界とは違うのだという意識をそれぞれが共有しなければなりません。これからガイダンスなどで学校生活を送るうえで、注意すべきことがらが説明されると思います。どうか自分と自分の大切な人の命にかかわる問題として受け止めて下さい。
私は、5月の初旬、生徒課が企画してくれた「プレ入学式」の中で君たちにビデオメッセージを送りました。その中で、「困難な状況にあっても、他人への思いやりを保ち続けて欲しい」と述べたことを覚えているでしょうか。もしかしたら、なにやら説教くさく感じた人もいるかもしれません。ただ、現在、この「他人への思いやり」ということは、抽象的な「説教」の域を超えた、きわめて差し迫った問題になった、と言えるのではないでしょうか。学校生活においても、今まで以上に「他人」の存在に自覚的になることが必要なのはもちろん、それは、現在の社会全体に問われていることがらなのです。
むろん「他人を思いやる」とは、「他人の顔色をうかがう」ことではありません。自分とは異質の存在である「他人」が、どのように感じ、どのように思うのか、「思いを及ぼす」、「思いを馳せる」、すなわち想像力を働かせるたうえで、思考したり、行動したりするということです。
学習院の教育目標は「ひろい視野」「たくましい創造力」「ゆたかな感受性」という三つのことばであらわされています。最初に掲げられている「広い視野」とは、つまりは、先ほどから述べている自分とは異質の価値観を持つ「人」や「もの」や「こと」に出会うこと、そしてその出会いを通して「自分」自身を鍛え上げていくことである、と私は考えます。
これから通常の授業が行われるようになるまで、まだしばらく時間がかかるでしょう。ただ、ビデオメッセージでも話したように、「できなくなったこと」を数え立てて、嘆いるだけでは何も始まりません。現在私たちに問われていること、対応を迫られていることに向き合い、「できること」に全力を尽くしていきましょう。
3年後、君たちが、高等科を卒業する時に、「ここに入学して良かった。」と心から思えるように、われわれも全力を尽くすつもりです。学習院は、その源をたどれば幕末までさかのぼる長い歴史を持つ学校です。明治10年の開校から数えておよそ150年の歴史の中で、幾度かの試練を乗り越えて現在に至っているのです。確かに現在(いま)目の前に突きつけられている問題はとても大きなものです。しかし、それがいかに困難なことであろうと、君たちと共に乗り越え、歴史を未来へつないでいきたいと考えています。
以上をもちまして入学式の告辞といたします。

2020年4月7日 高等科の様子




2019年度卒業式



高等科卒業式告辞
学習院高等科科長
武市憲幸
卒業生のみなさん、そして父母保証人の皆様、本日はご卒業おめでとうございます。
本来であれば、ここに在校生の諸君や来賓の方々をお招きして式を挙行するはずでしたが、ご存知のように新型コロナウィルス感染拡大を防止するために、このように簡易化した形で行わざるを得ませんでした。学校によっては、卒業生と教員のみの式や、式そのものを中止するケースもあるようです。しかし、われわれは、卒業生、保護者、教員で行うことを決断し、今日ここに式を挙行するに至りました。さまざまなご意見があるとは思いますが、学校生活を締めくくる大事な行事である卒業式をこのような形で行うことを何卒ご理解いただきたいと思います。
私は本校に勤務して30年になりますが、その間このような形で式が行われたのは2011年東日本大震災の時でした。震災当日とそれに続く数日間の混乱は言うまでもありませんが、さらにその後の数週間、原子力発電所の問題や流通網の混乱による物資不足などで世情が殺伐とした雰囲気に覆われていたことは現在でもありありと記憶に残っています。むろん当時の状況と比較して現在を云々するつもりはありません。しかし、こうした先行きの見えない不安な状況にあるからこそ、きわめてありきたりな言い方になってしまいますが、「他人への思いやり」を大切にして欲しいと願っています。かつての体験を教訓として活かすことはわれわれの務めであると考えます。そして、高等科で3年間を過ごしたみなさんならば、このありきたりではあるが、実践することが容易くはない、「他人への思いやり」を保ち続けることの大切さを分かってくれるだろうと信じています。
君たちは高等科での課程を終えて、これから、より専門的な教育課程に進んでゆくわけです。とは言っても、それもとりあえずの通過点に過ぎないのかもしれません。自分が生涯をかけてやるべきことに辿り着くためには、これからもさまざまな試行錯誤が必要になるのだと思います。もしかしたら、その試行錯誤の果てに、自分が今まで考えてもみなかった場所に辿り着いているかもしれません。また、一つの道を辿ってゆくにせよ、壁にぶつかり、立ち往生してしまうこともあるでしょう。
私たちは君たちの個性を大切にして、将来その個性を土台にして自分自身の人生を切り拓いてゆけるようになることを何よりも大切に考えて来ました。ですからそれが本当に自分自身を活かせる場所であるならば、つまずいたり、転んだりしながらでも、そしてそれが傍から見てどんなに無様であろうと、その場所にむけて歩み続けて下さい。
先ほど「先行きの見えない不安」ということを述べました。また、昨今新型コロナウィルスが、社会に与える影響を懸念する声がそこかしこで挙がっています。おそらく、この一連のウィルス騒動が終息した後でも、「不安」はその度合いを増しこそすれ、なくなることはないでしょう。社会を覆うこの不安に対して、それがまるでないかのように振る舞い、やり過ごそうとするのは、時代に対してあまりに不誠実な態度であると思います。そうした態度はいつか必ずその借りを返さねばならない時が来るでしょう。また、一方で、あまりに悲観的に考え、自暴自棄になってしまうのも、同じように不誠実なことだと思います。君たちには、社会を覆うこの「不安」に、真正面から向き合い、その「不安」のよって来たるところを見据えて、粘り強く考え抜く姿勢を貫いて欲しいと願っています。楽観もせず、悲観もせず、目の前の課題に真摯に向き合うことがわれわれに求められていることなのです。
父母保証人の皆様、私たち高等科の教職員一同、ご子息のご卒業を心よりお祝い申し上げます。
彼らも高等科に入学して3年間が経ちました。高等科の入学式に新入生として参列していた日のことは、まだまだ記憶に新しいと思います。私も親として経験がありますが、高校の3年間は、本当にいろいろあった3年間だったのではないでしょうか。時には、はたで見ていて、ヤキモキしたり、ヒヤヒヤしたりすることがあったかもしれません。彼らはこの3年間、さまざまなことを体験して、今日卒業の日を迎えました。そしてこの目白のキャンパスでわれわれと同じ時間を共有したことが、よりよき成長の手助けになったとしたら、これほど喜ばしいことはありません。彼らはこれから自分の足で自分の道を歩いてゆくことになります。親としての心配はまだまだ続くと思います。また、われわれにとっても、卒業したからそれでおしまいだとは考えていません。というよりも、高等科での教育はこれからその真価が問われるのだと言っても過言ではないでしょう。そして10年後、20年後にそれぞれが、それぞれの豊かな実を結んでくれることを願っています。
3年間、学校運営のさまざまな局面にご協力いただいたことを心より御礼申し上げます。
最後になりますが、卒業生のみなさん、この先何か困難なことに突き当たった時は、この高等科で過ごした日々を振り返ってみて下さい。きっと自分が進むべき方向が示されると思います。また、この3年間で築き上げた友人との絆を生涯大事にして下さい。みなさんにとってこの高等科が、いつまでも「特別な場所」であり続けることを心から願っています。
以上をもちまして卒業式の告辞といたします。
2019年度 柔道納会








塩野七生さん特別授業



2019年度 沖縄研修旅行
昼食はバスの中で頂きました.
1日目は平和学習を中心に行いました.クラスごとに,ガマ,県立平和祈念資料館,旧海軍司令部とまわり, ホテルへと向かいました.

夕食後,戦争体験の講話を聞きました.
朝食はビュッフェスタイルでした.

2日目と3日目は,合計で9種類のコースに分かれて研修しました.
沖縄文化体験コースです.午前は,沖縄の家庭料理を作りました.


午後は漆喰シーサー作りです.


ガンガラーの谷と洞窟体験コースの様子です.



洞窟では水につかりながら進んで行きました.



リーフトレイルです.

イノー散策の前に.

まちまーいです.那覇の町歩きをしました.



沖縄戦跡巡りです. 嘉数高知,首里城,嘉手納基地などを巡りました.



サバニです.

マリンスポーツでは,ドラゴンボート,シーカヤック,シュノーケリング,ビーチフラッグを楽しみました.

伊江島サイクリングです.


世界遺産グスクめぐりで勝連城跡に行きました.

研修終了後は,恩納村のホテルのビーチで楽しみました.


3日目の夕食はBBQでした.

4日目は那覇で自主研修を行い,東京へと帰りました.

2019年度 ボート大会






2019年度 附属戦







