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高等科NEWS

H25年度 沖縄研修旅行 

初日
 遅刻者もなく予定通り出発です。
PA020017-picsay.jpg那覇空港に到着です。ここからはバス移動になります。少し雲が多いです。
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南部戦跡の見学。糸数壕。
講義を受けて、実際に内部を見学すると生徒の表情も引き締まりました。PA020047.jpgPA020054.jpgPA020049.jpg
ひめゆりの塔。
同年代の学徒の境遇に何を感じたでしょうか。
PA020051.jpgホテルに到着。クラス集合写真を撮りました。
目の前に海。天候が持ってくれることを祈ります。
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2日目
眠い目をこすりながら朝食。沖縄らしい食材が並びます。
PA030088.jpgPA030076.jpg 見えているのは本部半島。美ら海水族館を目指します。
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到着。ジンベイザメの前で記念撮影。
PA030133.jpgPA030135.jpgPA030148.jpg PA030172.jpg きれいなビーチが広がっていました。
PA030223.jpg PA030182.jpg 佐喜眞美術館で「沖縄戦の図」を見ながら絵にまつわる背景を聞きました。
絵が伝えたいこと、想像してください。
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疲れを知らない生徒たち。ホテルに着くなりビーチへ。
強風のため、遊泳はなしでした。
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今日は盛りだくさんです。「しゃかり」のライブ。
みんなで「ハイーサッ!ハッハッハッハッ」と合いの手を入れました。
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3日目
 台風の影響で帰京のスケジュールが変更になりました
またコース別研修も一部内容が変更されました。


●シーサーの作成。
漆喰で作る焼かない伝統的な手法。sisa4.jpg かつてのシーサーは対ではなかった。

●沖縄そばを作っています。
かまどで出る木灰の灰汁を薄力粉に加えて練ります。
そば粉は使わず、そばというよりも、ラーメンがルーツ。

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●エイサー体験。
本番は1日中踊り続けます。体力勝負。

●サンシン体験。
「島唄」に挑戦しました。
●マリンスポーツ

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●リーフトレイル
沖は波も高いですがサンゴの浅瀬の効果で海岸付近は穏やかです。
プールのようになっているところには体を浸けて生き物を観察しました。
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サンゴ畑の見学も行いました。
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●洞窟探検
ガンガラーの谷と玉泉洞の見学を行いました。
        ガジュマルの根が生い茂る。                     自然の地形を利用したカフェで休憩

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●サバニ体験 
ロープワークなどを習いました。
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夕食はバーベキューでした。 bbq.jpg
4日目
 2年生沖縄研修旅行は台風23号の影響で航空便が欠航となり、帰京を1日延期しました。待機となった10月5日はホテルみゆきハマバルリゾートにて過ごしました。
外は朝から徐々に風が強くなり、しなる木にかかる波しぶきがまるでニュース映像のように感じられました。
PA050481.jpgホテルのホールには卓球台が自由に使えるように用意され、卓球大会に興じる人、友人と語らう人、生徒は思い思いの過ごし方をしていました。
PA050440.jpg この研修旅行では学んだことを各自レポートにまとめることになっています。主管の先生から今日の課題として、午後3時までに下書きを一旦提出するよう指示が出され、生徒はじっくり取り組んでいました。
PA050449.jpg昼食はホテルでタコライスを食べました。
PA050467.jpg午後3時には全生徒が集合し、昨日のコース別体験のプレゼンテーションを行いました。班ごとにプロジェクターで写真を映しながら、代表生徒のトークショーで体験を共有する会となり、行事を振り返り深める経験ができたようです。
PA050469.jpg PA050478.jpg 明日はいよいよ帰京日です。生徒は荷物を整理し、帰京の準備をしました。




5日目
延泊となりましたが、本日帰京です。
雲が減り、晴れ間が見えますが、風は強いです。
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無事、羽田空港に到着し、先ほど解散しました。
明日の1時間目に遅刻しないように。
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特別講義(1年生)

9月19日15時半より、一橋大学 大学院社会学研究科・社会学部教授の多田治氏をお招きし、高等科1年生を対象に『沖縄イメージを旅する』というタイトルで特別講義を行っていただきました。
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来年度の沖縄研修旅行の事前学習の一環としての講義ですが、最初に多田先生の専門である社会学についても講義していただき、その後、基地とリゾートとしての沖縄の二重性、その複雑な歴史をさまざまな写真を見ながら、戦前期の沖縄にまで遡ってお話いただきました。
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講義の後には質疑応答やインタビュー、さらにはサインまでいただいた生徒もおり、生徒たちにとって貴重な体験となりました。事前に多田先生の著作を読んでいたこともあり、活発な意見交換もできました。
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インタビューの最後には高等科生に向けて「沖縄に行く前にたくさん勉強しておくのは、とてもいいことだけど、行くときにはいったん頭を真っ白にして、現地で思いっきり楽しみ、いろいろ感じてきてほしい。そして、大事なのは帰ってからで、行きっぱなしにするのでなく、折にふれて沖縄のことを考え、また学び続けてほしい。」というメッセージをいただきました。多田先生本当にありがとうございました。

特別講義『黒潮より』

 2月4日、1年生を対象に冒険家の八幡暁氏による特別講義が行われました。沖縄研修旅行事前学習の一環として「黒潮」を切り口に沖縄を考えるというテーマでしたが、講義内容は八幡氏の体験から紡ぎ出された現代社会の見方や、これからの生き方にまで及び、スケールの大きなものとなりました。学習院高校の講演を終えて生徒教員とも深い感銘を受けました。

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赤線は八幡氏がカヤックで漕覇したコース


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講義後に八幡氏に直接質問をぶつける生徒たち

講義後に八幡氏よりメッセージをいただきました。


学習院高校の講演を終えて

 講演の黒潮資料を作っている時、ふと自分が高校生だった頃を思い出していました。修学旅行。京都へ行くため、歴史を学ぶ事前授業。何も学んでないことを「作文させられた」と、感じていたことだけが記憶に残っています。勉強に身が入らなかったこと。やっていることに意味がないのではないか。未来への漠然とした不安。学校生活で本気を出せたのは、部活動だけでした。それは何かを解決するものではなく、思い切り自分の体や仲間を信じることが楽しい、そういったものでした。今の高校生は、どういった不安の中にいるのだろうか。黒潮のことを切っ掛けに、もっと本質的な話をしてみようと思うようになっていました。

 この時代、黒潮の知識はいくらでも調べられます。黒潮は、何の切っ掛けか。修学旅行を充実させるためのものではない。修学旅行もまた何かの手段です。高校時代、そうしたことを考えていなかったので、これを考えてみよう。講演の軸は決まりました。さらに踏み込んでみたい。優秀な学者、研究者も沢山いる中で、わたしが学生の前で話をする意味はなんだろうか。勉強せず、就職せず、38歳まで生きてきた人の姿は、彼らが思い描く大人としては異質に映るはずです。このことの意味を伝えてみようと思ったのです。

 自分を取り巻くあらゆるものに意味づけがされている現代社会。客観的に数値化されるものが評価を得る時代です。人知を超えた存在や八百万の神に揺すぶられることのない暮らしは、当然、画一化していきます。そこに閉じ込められ、優劣をつけられれば息苦しいに決まっています。本来、人の可能性はどこにあるかわかりません。それぞれの価値は、まだ誰も見出せていないところにあるのかもしれないです。学びとは何か。評価に値することを学ぶだけではない。未知を知り、また新たな未知と出会うことこそ、人が何万年も続けてきた学びの本質です。生活から遠い存在である黒潮とは、学生にとって未知ものではないか。そしてわたしは「意味がないとされること」を実践し続けてきた大人であり、人生を楽しみ、周りには愉快な仲間がいること、それを示せれば何か感じてもらえるのではないかと当日を迎えたのです。

講演は拙いものだったと思いますが、何人かの生徒は質問に来てくれました。その夜、フェイスブックへの友達申請があり、その中には、嬉しいメッセージもあったのです。「今まで聞いた話で一番面白かったです」文字どおり単純に面白かった、ということでは無い気がします。道を外れることは、自分達の知っている世界観を、ちょっと飛び出せたことでもあります。広い視野をもってみれば、あらゆることは誰かに優劣をつけられるものではありません。そんな言葉を投げかける大人が、その学生の周りにはいなかったのではないかと思えました。

「君達は、生まれた瞬間から、存在を肯定されている」

その事実は、高校時代のわたしに投げかけてあげたい言葉です。今回の講演で、何人かの生徒にそう感じ、生きる糧にしてもらえたならば、それは成功だったかと思います。

今回、高校生に話をする機会を作って頂きまして、ありがとうございました。わたしにとっても、とても有意義な時間になりました。何かの形で、またお会い出来るのを楽しみにしています。