2020年度は家庭科の授業内で、調理実習を行うことができませんでした。そういった状況下ではありましたが、次のような取り組みをしましたので、授業報告致します。
生徒たちに次のような課題を考えてもらいました。
箸袋で作る折り紙
スマホ育児:スマホやタブレット型端末を育児に利用すること。
もともとスマホを用いた知育やしつけ用のアプリを利用することをさした言葉だったものが、最近は「電車で泣きやまない子どもにスマホを与えて静かにさせる」「親がスマホを見ながら育児をしている」というネガティブなニュアンスを含む言葉となってきています。
テレビが登場した時は子どもがテレビばかり見ていると問題になり、ゲームが登場した時は友達と一緒にいるのに画面ばかり見ている、ということが問題にもなりました。新しいものがでてくると、それが初めからある世代となかった世代の違いや、育った環境の違いなどから、ものの良し悪しの議論が盛んになります。いろいろな考えがあり、これが正解というものはないように思います。
ただ、新しくでてきたものの良い面はわかりやすいけれど、どんな悪い影響を与えるかはまだよくわからないというのが現状で、特に、自分でいろいろなことが判断できない子どもに対しては、今考えられる範囲で最善と思われる策を講じることは大切です。しかし多少の後ろめたさを感じても、子育てでスマホに頼る場面をゼロにすることは難しいため、どう上手に付き合っていくかを考えてみます。
まず「スマ放置」にしないこと。
スマ放置:子どもにスマホを与えたまま放置しておくこと。
[スマホ育児をするときに心がけること]
①時間
②距離
目は遠くのものを見るよりも近くのものを見るほうが緊張し、疲れやすいので30cm以上離すこと。子どもは大人と違い「目が疲れた」「ぼやける」といった症状に気付きにくいため、渡しっぱなしにせず、必ず親が使う時間やスマホとの距離に気を配ること。
③生身の人間とのやりとりをおろそかにしないこと。
ここでは③の「生身の人間とのやりとりをおろそかにしないこと」について考えてみたいと思います。ちょっとした待ち時間にスマホに頼ってしまうこともあると思います。例えばレストランでお料理がくるまでの時間、手元にある箸袋で子どもとコミュニケーションをとってみましょう。子どもに限らず、外国の方とのコミュニケーションにも繋がっていくと思います。
今回のテーマ「箸袋で作る折り紙」ですが、箸袋で「箸置き」を作ってください。箸置きはお箸と違って、食事の際に必ず必要なものではありません。では、何のために箸置きは使うのでしょう?「岩多」箸店さんがわかりやすく書いていらしたので紹介します。
(i) 食事のマナー
食事のマナーは数多くあります。その中でも「渡し箸」と呼ばれるマナー違反があります。これは、食事の途中に箸を食器の上に置くことです。箸を食器の上に置くことは「ごちそうさま」の合図となり、箸を休めるときは、箸置きの上に置くのがマナーです。さらに、箸置きの上にはしを置くことは箸がころころと動かないようにする役目もあります。
(ii) 衛生面
箸置きに箸を置かなければ、食べているお箸がテーブルについてしまいます。そうすると、テーブルもお箸も汚れてしまいます。
(iii) 見た目
箸置きを置くことにより、箸置きが1つのアクセントとなり、食卓が華やかになります。
おまけ:外国の方に説明するために
The chopstick rest is tableware, similar to a knife rest or a spoon rest,used to keep chopstick tips off the table and to prevent used chopsticks from contaminating or rolling off tables.
箸置きが置いてないお店で、ちょっとおしゃべりしたり、箸を置く時に渡し箸をしなくていいように、簡単な箸置きを作れるようになりましょう。
「箸袋 折り紙」「箸袋 箸置き」などで検索するといろいろでてきます。動画もあるので、わかりやすいと思います。自分のレベルにあったもの、どれでもいいので、1つ何も見ないで折れるようになってください。細かい作業が好きな人は是非、うさぎや犬にチャレンジしてみてください。
以上の課題を踏まえ、このページ内にあるような色とりどりの箸置きを、生徒全員が無事に提出しました。いくつかの作品を紹介します。
うさぎ
亀
りぼん・かぶと
犬(ダックスフント)
船
これをきっかけに、スマホ育児などについて考えていくきっかけになればと思います。