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エッセイ

1年主管 鵜沢哲丸|「HOW TO 主管」

 高等科を卒業して以来8年,初めての主管をもたせていただきました.それからもう早一年が過ぎようとしています.5人の主管中(自分を除けば4人中)2 人が,高等科時代の学年主管というなか,どのようにやっていくのかと想像もつきませんでした.しかし蓋を開けてみれば,なんのことはない,かつての先生に またすっかりお世話になってしまいました.感謝の念を抱くとともに,いつまでも自立できない自分を歯がゆく思っています.
 同じく感謝したいのは生徒達です.主管になって以来強く感じるのは,教師は晒され続けているということです.生徒の目,親の目,世間の目,学校の目等 々.そんな暴露のなか,ある意味で怯えて行動することが多くなっていきました.そのために自分を抑えたり,自分が考えたことと違うことをすることが多く なったような気がします.しかしそんな中,生徒達に対するときはいつも本音でいられたように思います.それは私の本音に対して生徒が,言動で,行動でダイ レクトに反応を示してくれたからではないでしょうか.それは時に残酷であったり,失礼であったりしました.でもそのダイレクトな応答が自分を映す鏡とし て,とてもクリアーで,歪みの無いものに見えました.それだけに偽った自分の行動さえもはっきりと映し出されてしまうようでした.次第に形や体裁にこだわ りすぎている自分を滑稽に感じ,逆に,意識してありのままの姿でいるようにしていることさえ出てきました.そのおかげで恐る恐るながら,主管としての一歩 一歩を踏み出していくことができたのだと思います.その意味で生徒たちには本当に感謝しています.
 しかし彼らも次第に大人になり,感じていることと行動することのギャップがどんどん大きくなっているのは確かです.見つけた鏡も次第に見えづらくなり,道しるべを失うような不安を感じつつ来年度を迎えようとしています.

2年主管 大竹克明|「声」

  昨年の夏以降,テレビですさまじい叫び声を耳にする.アテネオリンピックで娘を応援していた,アニマル浜口だ.金メダルは逃したが,あの応援があったからこその結果だと思う.
 あのアニマル浜口だが,僕が高校生のときもあの調子だった.プロレスラーとして現役で,猪木や長州を,「燃えろぉぉー」と,応援?していた.それに影響 され,「燃えろぉぉー」と叫びながらバスケットをしていたのが,高校生・大竹だ.それ程勝てなかったが,チームメイトと青春していたのを思い出した.
 そんな夏以降,学校生活で色々ないい声に出会った.まずは八幡平,岩手山登山中に,みんなが景色を見た瞬間.「うぉぉー,すげぇぇー」と聞こえただけで,疲れも(若干)吹き飛んだ.  次に文化祭二日目の後片付け中.校舎に机を運び入れる掛け声は,一致団結の現れであり,その合間に催された三年生二人のマイクなしの漫才には,あの場にいた全員が癒されたはずだ.
 運動委員もいい声を出してくれる.ビシッとした号令で始まり,ビシッとした号令で終わる.とても清々しい.
 グラウンドからは,体育準備室でよく聞く声が,大音量で一番聞こえてくる.(アニマルか?)
 二年生諸君,たまには腹の底から大きな声を出してみよう.その声が,人に迷惑をかけ,マイナスに働いては困るが,プラスの分には誰も怒らないだろう,たぶん,きっと・・・.  高校生活残り一年間,励まし,感動させ,自分とみんなを元気にする,『大きな声』を期待します. (注・周りの人,特に大竹に迷惑をかける場合,遠慮なく指導します.あと一年,そのつもりでよろしく.)

3年主管 鍋山 航|「俺とバイクと」

 私は、大のバイク好きである。最近、サーキット走行にハマっている。去年の夏、ツインリンク茂木での走行会に参加した。参加者の中には、私のように自走 してくる人もいれば、ワンボックスに大切なマシンを積んでくる人もいた。集合は朝八時。まずはブリーフィングが行われる。走行上のルール、旗説明などを受 けた後、各自がマシンのセットアップを始めた。私も愛機Firebladeをいそいそと準備した。
まずは一本目。最初は、インストラクターが先導し、ライン取りを覚えながら走る。サーキットは広大だ。何といっても幅が広い。そこで、最短で最速のライン、つまりレコードラインを習得しなくてはならない。
 一本目の先導走行でラインを覚えた後、フリー走行がやってきた。各自が思い思いのペースで、スタートしていく。私もエンジンスタート。エキゾーストノー トに包まれて、ピットアウト。風を切り裂きながら、次々自分に迫り来るコーナーを無心で攻める。茂木名物ダウンヒルストレートを二百キロオーバーで加速し ていると、後ろから猛スピードでマシンが抜き去っていった。あっけに取られたその直後、そのマシンは白煙を上げながら正面グラベルに突き刺さった。どうや らライダーは無事そうだ。周回を重ねると、今度は遅めのライダーに出くわした。マシンを大事そうに乗っているようだ。
 賞金が出ない走行会は、いろいろな目的の人間が集まっている。上手くなりたい人、最速ラップを刻みたい人、体験走行したい人。走り方も人それぞれ。だから当然転倒者もいる。高校三年間は言わば先導走行。卒業すれば、いよいよグリーンシグナルだ。常にアクセル全開で行け!

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