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高等科NEWS

2016年度 入学式

2016年度 入学式が行われました.
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平成28年度高等科入学式・始業式
科長告辞
学習院高等科
科長 林 知宏

 新入生のみなさん,入学おめでとうございます.今年も桜の花が舞う中,入学式を行えることをうれしく思います.みなさんが入学した学習院高等科は歴史を持った学校です.現在ある日本の学校の中でも最も古くに作られた学校の一つです.明治以前に京都で出発し,その後1877年,明治10年に神田錦町に創設されたことを公のスタートとしています.以来,140年近くの時間が経過しています.それは一人の人間が体験できる人生の長さをはるかに上回り,何世代にもわたる期間,学校が存在してきたことを意味します.この目白に学習院が移ってきたのは,1908年,明治41年です.長きにわたり,人々がここに集まり,そして巣立っていきました.目白という町やこの学習院のキャンパスの目に見える風景は大きく様変わりしました.しかし歳月が施す浸食作用に耐えて,この高等科は10代後半の伸び盛りの若者を成長させる場として一貫した役割を果たしてきたと言えます.本日のこの喜ばしい入学式の場で,みなさんに今後の学校生活をする上での鍵となることを話したいと思います.
 みなさんが本日入学した高等科について,卒業生,在校生はしばしば「自由な学校」であると言います.細かな行動の制約が少なくなることは確かです.まずみなさんにはこれからの3年間を通じて,その行動の自由が与えられることの意味を考えるよう強く求めます.最大のテーマと言っていいでしょう.制約が少なくなることを何につなげるのか?そこには当然,ある期待が込められています.大人の指示に従って物事を実現することも大事ですが,むしろ自ら課題を設定し解決に向けて歩んでいくことを望んでいます.何を学ぶのか?何のために学ぶのか?そしてどのように取り組むのか?まず,自らに問いかけ,自分自身を理解し,将来の姿を想像して,必要な努力をしてもらいたいと思います.自分がどういった人間なのかを問う作業は他人にはすることができません.みなさん自身のみが問いかけをし,答えを出すことができるものです.もちろん,大人たちが解答を与えてくれるなどと期待するのは間違いです.主体性をより強く意識することで自らの可能性の発見につなげて欲しいと思います.大人になっていく上で,どうしても通らなければならないプロセスです.そのために中学時代よりも行動の自由が与えられるのだということを,この高校時代の学校生活の中でまず第1に心にとめて欲しいと思います.
 一方,学校の日常が集団生活である以上,自分とは違う他者がそこに存在していることも自覚して欲しいことです.互いに多様な個性と考えを持った人間からなる学校は,社会の縮図と言ってもいいでしょう.高等科には,すでに年齢の異なる教職員,先輩たちがいます.彼らは時に壁となって立ちはだかるときもあるかもしれません.しかし学ぶことは多くあるはずです.あるいは同級生でも今までに十分知り得なかった人もいるはずです.または中等科の時代からよく知っているはずの同じ人たちが次第に変わっていく様子を目にすることもしばしばあるでしょう.他者とかかわりを持ち,働きかけ,良き人間関係を作り上げていく,それも全員共通の課題です.心にとめてもらいたい第2の点です.ただ集団の中では,望むことと実際に手に入れられるものとのギャップのあることを実感し,大いに悩むこともあるかもしれません.いくら行動の自由を手にするとはいえ,何でも自分の思うようになるわけではありません.みなさんがこの高等科の学校生活を通じて,様々な考えを持つ人間たちがどのようなメカニズムで共存していくのか,多くのことを学んで欲しいと思います.どんなにツールが発達しようとも,結局最後は人と人とが対面して言葉を交わすことに尽きます.自分と異なる他者の存在をつねに現実的なものとして意識する.それを肝に銘じて欲しいと思います.そして言葉を発することは,みなさんの内面の成長と直接結びつきながら行われるはずです.狭い仲間内だけの拙い言葉をもてあそぶのではなく,的確に深い意味を伴った,より豊かなコミュニケーションができる人間になることを期待しています.新たな人間関係を作り,みなさん自身の世界を拡げることは,また大人に成長していくために不可欠な事柄です.外側に人とのつながりが広がっていくと,自然に異なる他者と自分自身との比較が行われるでしょう.そしてもう一度自分がどのような人間であるかという問いに立ち返ることになるでしょう.外界を広く意識することと自分自身の内側に向けた深い洞察,それら二つが両輪となって機能して,初めて学校生活は充実していくはずです.
 父母保証人の皆様,本日の入学式には学校法人学習院を代表し,内藤院長をはじめ,耀専務理事,岩浅常務理事,荒木常務理事が出席しております.また来賓として東園櫻友会会長,大野父母会副会長,一條中高桜友会会長にもご列席いただいております.私たち学習院高等科の教職員一同,心からご子息のご入学をお祝い申し上げます.高等科の3年間は何より心身が大きく成長し変化する時です.父母保証人の皆様と彼らとの距離感も変わってくることでしょう.父母・生徒・教職員が作る三角形がバランスを崩さないように,大人同士もコミュニケーションを大切にして,彼らの成長を見守りながらも,彼らが一歩前に歩み出そうとするときは,背中を後押していきたいと存じます. 
 新入生の皆さんあらためて学習院高等科への入学おめでとうございます.本日,こうして新入生を迎える式典を行い,長い学校の歴史に新たな1ページを加えることを心からうれしく思います.高等科は,未来において行動するための基礎を養う場です.さまざまな機会が提供されるはずです.積極性を備えて日常を過ごすならば,この3年間はかけがえのないものになるでしょう.自分の世界にだけ閉じこもり,誰かに手を引いてもらうことだけを期待していては,豊かな学校生活を送ることにはならないはずです.ともに充実した高校生活を作り上げていきましょう.みなさんが予想もしないような大活躍をすることを心から願いつつ,私の告辞とします.




入学式の後の始業式で、新任の先生が紹介されました.
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