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高等科NEWS

2017年度入学式

2017年度入学式が行われました。

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科長告辞
学習院高等科
科長 武市 憲幸

 新入生のみなさん、本日は入学おめでとうございます。学校として新しいスタートを切るこの日に、みなさんを迎え、この会を行えることを大変うれしく思っています。
 この学校は、古い歴史を持ち、その始まりは幕末の京都にまでさかのぼります。「学習院」という名は、島崎藤村の幕末を舞台にした「夜明け前」という小説にも出てまいります。また夏目漱石の評論として有名な「私の個人主義」という講演も、漱石が依頼を受けてこの学校で行われたものです。幕末にその始まりを持つ学習院は、維新後、明治10年、神田錦町に創設されたことを公のスタートとしていますので、それからでもすでに140年あまりの歴史が流れているわけです。
 本日この学校に入学された新入生の諸君も、こうした長い歴史の中に、新たな歴史を付け加えてゆくことになるわけです。ただし長い歴史があるということだけに安んじていては、新たな歴史につなげてゆくことはできないでしょう。歴史とは、常にその意味を問い返すことにこそ価値があるのではないでしょうか。ですから今日私は、ここで学習院の教育方針「ひろい視野」、「ゆたかな感受性」「たくましい創造力」、について改めて話してみたいと思います。
 まずは「ひろい視野」についてです。
「ひろい視野」とは、自分の小さな殻の中に閉じこもっていては手に入れることはできません。自分とは異質な価値観を持つ人や、モノやコトに触れ合うことによって得られるものではないでしょうか。クラスの中で、クラブ活動の中で、あるいは様々な教科の教員からたくさんの刺激を受けて欲しいと思います。自分の「個性」を他人の「個性」とぶつけあい、いわば「やすりにかけてゆくこと」が自分の本当の個性を発見してゆくことにつながってゆくのです。こうした過程を経ずに形作られる「個性」とは、独善的な思い込みに過ぎません。ですから、どうか単に、好き/嫌いという二分法だけでものごとを決めつけてしまわないで欲しいと思います。自分とは異質なものにこそ「世界」を広げる可能性がはらまれていることを忘れないでください。
 次に、「ゆたかな感受性」について話します。
「感受性」とは、人やモノやコトに触れて「心を動かす」、もっと言えば「心を震わせる」ことだと思います。ですから先ほどの述べた「視野」、つまり自分の触れ合う世界が広がってゆけば、おのずと「感受性」を働かせる幅も広がってゆくわけです。そして、その感受性を働かせる場は、何も「学校」という限定された場だけではないでしょう。例えば読書であったり、映画や音楽であったり、たくさんのものに触れて、「心を震わせ」て欲しいと思います。なぜならこの「感受性」というものは、君たちくらいの年代にその土台が形作られるからです。「ゆたかな感受性」とはつまるところ「ゆたかな人間性」につながってゆくのではないでしょうか。自戒の意味も含めて申しますが、どうか「つまらない大人」にならないで下さい。
 最後に「たくましい創造力」についてです。
「創造力」とは言うまでもなく、何かを生み出す力です。「何かを生み出す」というと、とても大袈裟なことのように聞こえるかもしれませんが、結果がすべてではありません。自分自身が、何かを生み出そうとして、一生懸命になること―生み出そうとするものがどのようなものであろうと、そのひたむきさこそが、人の心を打つのだと思います。そして「たくましい創造力」とは、「広い視野」と「ゆたかな感受性」に裏打ちされてこそ、その場限りのものではない真の意味で人の心を動かす力を持った「創造力」になるのだと思います。
私自身長い教員生活の中でこうした「たくましい創造力」によって自分の道を切り開いている多くの卒業生たちを知っています。そうした卒業生たちの存在が自分の長い教員生活を支える糧になっているといっても過言ではないでしょう。これから新しく高等科生活を始める新入生諸君も、先輩たちに続いて「たくましい創造力」を身につけて、充実した人生を歩んでほしいと思います。
 父母保証人の皆さま、本日の入学式には学校法人学習院を代表して内藤院長、耀専務理事、岩浅常務理事、荒木常務理事にご列席いただいております。またご来賓として東園桜友会会長、小堀父母会会長、一條中高桜友会会長、渡邊中高桜友会副会長にご列席いただいております。私たち学習院高等科の教職員一同、心からご子息のご入学をお祝い申し上げます。
 高校生は中学生とは異なり、親から離れ自立した存在へとその一歩を踏み出してゆく時期に当たります。保護者の方々は、これからご子息と適度な距離感を保つことに苦労される場面も多々あるかと思います。この時期の子供たちを「見守る」ということが、いかに難しいものかということは、私自身も、息子を一人持つ親の身としても日々実感しております。
 草花を育てるとき、水をやりすぎても、逆に足らなくても枯れてしまいます。さらに、それぞれの草花に必要な水の量も栄養も千差万別です。これは、私たちが子供を育てる、一人前の自立した人間にする、ということにも通じるものがあると思います。われわれ教員は、一人一人の個性にじっくりと向き合い、保護者の方々と協力し、ともに試行錯誤を繰り返しながら高等科3年間に寄り添ってゆけたらと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上をもちまして、入学式の告辞といたします。


2016年度 入学式

2016年度 入学式が行われました.
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平成28年度高等科入学式・始業式
科長告辞
学習院高等科
科長 林 知宏

 新入生のみなさん,入学おめでとうございます.今年も桜の花が舞う中,入学式を行えることをうれしく思います.みなさんが入学した学習院高等科は歴史を持った学校です.現在ある日本の学校の中でも最も古くに作られた学校の一つです.明治以前に京都で出発し,その後1877年,明治10年に神田錦町に創設されたことを公のスタートとしています.以来,140年近くの時間が経過しています.それは一人の人間が体験できる人生の長さをはるかに上回り,何世代にもわたる期間,学校が存在してきたことを意味します.この目白に学習院が移ってきたのは,1908年,明治41年です.長きにわたり,人々がここに集まり,そして巣立っていきました.目白という町やこの学習院のキャンパスの目に見える風景は大きく様変わりしました.しかし歳月が施す浸食作用に耐えて,この高等科は10代後半の伸び盛りの若者を成長させる場として一貫した役割を果たしてきたと言えます.本日のこの喜ばしい入学式の場で,みなさんに今後の学校生活をする上での鍵となることを話したいと思います.
 みなさんが本日入学した高等科について,卒業生,在校生はしばしば「自由な学校」であると言います.細かな行動の制約が少なくなることは確かです.まずみなさんにはこれからの3年間を通じて,その行動の自由が与えられることの意味を考えるよう強く求めます.最大のテーマと言っていいでしょう.制約が少なくなることを何につなげるのか?そこには当然,ある期待が込められています.大人の指示に従って物事を実現することも大事ですが,むしろ自ら課題を設定し解決に向けて歩んでいくことを望んでいます.何を学ぶのか?何のために学ぶのか?そしてどのように取り組むのか?まず,自らに問いかけ,自分自身を理解し,将来の姿を想像して,必要な努力をしてもらいたいと思います.自分がどういった人間なのかを問う作業は他人にはすることができません.みなさん自身のみが問いかけをし,答えを出すことができるものです.もちろん,大人たちが解答を与えてくれるなどと期待するのは間違いです.主体性をより強く意識することで自らの可能性の発見につなげて欲しいと思います.大人になっていく上で,どうしても通らなければならないプロセスです.そのために中学時代よりも行動の自由が与えられるのだということを,この高校時代の学校生活の中でまず第1に心にとめて欲しいと思います.
 一方,学校の日常が集団生活である以上,自分とは違う他者がそこに存在していることも自覚して欲しいことです.互いに多様な個性と考えを持った人間からなる学校は,社会の縮図と言ってもいいでしょう.高等科には,すでに年齢の異なる教職員,先輩たちがいます.彼らは時に壁となって立ちはだかるときもあるかもしれません.しかし学ぶことは多くあるはずです.あるいは同級生でも今までに十分知り得なかった人もいるはずです.または中等科の時代からよく知っているはずの同じ人たちが次第に変わっていく様子を目にすることもしばしばあるでしょう.他者とかかわりを持ち,働きかけ,良き人間関係を作り上げていく,それも全員共通の課題です.心にとめてもらいたい第2の点です.ただ集団の中では,望むことと実際に手に入れられるものとのギャップのあることを実感し,大いに悩むこともあるかもしれません.いくら行動の自由を手にするとはいえ,何でも自分の思うようになるわけではありません.みなさんがこの高等科の学校生活を通じて,様々な考えを持つ人間たちがどのようなメカニズムで共存していくのか,多くのことを学んで欲しいと思います.どんなにツールが発達しようとも,結局最後は人と人とが対面して言葉を交わすことに尽きます.自分と異なる他者の存在をつねに現実的なものとして意識する.それを肝に銘じて欲しいと思います.そして言葉を発することは,みなさんの内面の成長と直接結びつきながら行われるはずです.狭い仲間内だけの拙い言葉をもてあそぶのではなく,的確に深い意味を伴った,より豊かなコミュニケーションができる人間になることを期待しています.新たな人間関係を作り,みなさん自身の世界を拡げることは,また大人に成長していくために不可欠な事柄です.外側に人とのつながりが広がっていくと,自然に異なる他者と自分自身との比較が行われるでしょう.そしてもう一度自分がどのような人間であるかという問いに立ち返ることになるでしょう.外界を広く意識することと自分自身の内側に向けた深い洞察,それら二つが両輪となって機能して,初めて学校生活は充実していくはずです.
 父母保証人の皆様,本日の入学式には学校法人学習院を代表し,内藤院長をはじめ,耀専務理事,岩浅常務理事,荒木常務理事が出席しております.また来賓として東園櫻友会会長,大野父母会副会長,一條中高桜友会会長にもご列席いただいております.私たち学習院高等科の教職員一同,心からご子息のご入学をお祝い申し上げます.高等科の3年間は何より心身が大きく成長し変化する時です.父母保証人の皆様と彼らとの距離感も変わってくることでしょう.父母・生徒・教職員が作る三角形がバランスを崩さないように,大人同士もコミュニケーションを大切にして,彼らの成長を見守りながらも,彼らが一歩前に歩み出そうとするときは,背中を後押していきたいと存じます. 
 新入生の皆さんあらためて学習院高等科への入学おめでとうございます.本日,こうして新入生を迎える式典を行い,長い学校の歴史に新たな1ページを加えることを心からうれしく思います.高等科は,未来において行動するための基礎を養う場です.さまざまな機会が提供されるはずです.積極性を備えて日常を過ごすならば,この3年間はかけがえのないものになるでしょう.自分の世界にだけ閉じこもり,誰かに手を引いてもらうことだけを期待していては,豊かな学校生活を送ることにはならないはずです.ともに充実した高校生活を作り上げていきましょう.みなさんが予想もしないような大活躍をすることを心から願いつつ,私の告辞とします.




入学式の後の始業式で、新任の先生が紹介されました.
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入学式

今年度の入学式が行われました。
暴風雨の影響を考慮して午後からの開始となりました。
まだ風は強かったですが台風一過(暴風一過?)の澄み渡る青空のもと
新入生を迎えることができました。
今年は桜が早くソメイヨシノは新芽を出していましたが、他の様々な花が見られました。

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1年生の主管の他、来日した留学生が紹介されました。
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科長告辞
学習院高等科
科長 林 知宏

 新入生のみなさん,入学おめでとうございます.みなさんが入学した学習院高等科は歴史を持った学校です.現在ある日本の学校の中でも最も古くに作られた学校の一つです.多くの人がここで出会い,多くを学び,たくさんの思い出を胸に刻んで巣立っていきました.学習院という学校は時を越えて人々に支えられ,また人々を支えてきました.この環境は時代が移り,人が集まり散じてなお変わらぬものを備えているはずです.
  いま,われわれの住む世界はグローバリズムの波にさらされています.簡単に国境を越えて,人や資本が移動する世の中になってしまいました.加えて国内に目を向けると,一昨年の3月11日以降,様々な解決すべき事柄がこの国を覆っています.にもかかわらず,大人たちが運営する社会はスピード感に欠けているように感じるかもしれません.問題が生じている現場では,人々は懸命に取り組んでいます.しかし全体として停滞しているように見えるのです.日本は決して未熟な知恵のない国ではないはずです.過去にできあがった日本のシステムは相応に強固で,あらゆる方向に網の目が張り巡らされています.しかしだからこそ,その過去の先例がかえって足かせになることもあります.経済成長とエネルギー問題,高齢化に沿った福祉の充実,社会基盤の維持と財政負担の軽減,どれも緊急性のある重要課題です.国内の産業を守ることと世界に向けて開かれた社会であることのバランスをどのようにとっていくのか,柔軟さと強靭さが求められます.ただ,異なる価値観を持った人々の中での合意形成は必ずや困難さを伴います.複数の人間が集まるところでは,方向性の違う利害や異なる欲求が渦巻いています.個人が思い描くことが単純に実現することのほうが稀だと思う方が無難です.みなさんの目から見ると,大人たちの世界は仕組みがよくわからないブラック・ボックスでしかないかもしれません.そこで何が行われているのか.まだ中身がみなさんたちの前に十分には開かれていないでしょう.
 実は,学校はその大人の社会の縮小版です.学校には,年齢の異なる教職員,先輩・後輩との人間関係,そして同級生同士の人間関係ができあがっています.集団の中で一定の秩序を守るためのルールがあります.同時に高等科生となって,いくらかの自由も手にできるようになります.みなさんは自分を取り巻く学校という「社会」とかかわりを持ち,自ら働きかけることもできるようになります.ここでは自分に何ができるか可能性を試すことができます.ただそこでは,望むことと実際に手に入れられるものとのギャップのあることを実感するかもしれません.ときには大いに悩むこともあるかもしれません.行動の自由度が高まることは,何でも自分の思うようになることとはまったく違うのです.みなさんが社会のミニチュア版をこの高等科の学校生活を通じて少しばかり体験して,どのようなメカニズムで人間たちが共存していくのか,多くのことを学んでほしいと思います.
 その際,特に求められるのは他者とのコミュニケーションだと考えます.自分自身の存在を他者に理解してもらうためにはどうすればよいのか.そこでは,何より個人の力が試されるのは言うまでもありません.ただ一人だけの世界で完結してしまうのでは足りないと思います.どんなにツールが発達しようとも,結局最後は人と人とが対面して言葉を交わすことに尽きるのです.それが何より重要であることに変わりがありません.自分の周りの人々と連携して,1+1が2以上になることを目指して欲しいと思います.いつしかみなさんは大人たちの運営する社会の中に入っていく時が来ます.そこに向けて歩んでいくために備えることがみなさん全員の課題です.成功よりも,どちらかと言えば失敗から学ぶことが多くあるのではないでしょうか.それこそが大人になるということの意味だと考えます.
 父母保証人の皆様,本日の入学式には学校法人学習院を代表し,波多野院長をはじめ,森田常務理事,堀口常務理事が出席しております.また来賓として内藤桜友会会長,小島父母会副会長,渡辺中高桜友会副会長にもご列席いただいています.私たち学習院高等科の教職員一同,心からご子息のご入学をお祝い申し上げます.高等科の3年間は何より心身が大きく成長し変化する時です.父母保証人の皆様と彼らとの距離感も変わってくることでしょう.父母・生徒・教職員が作る三角形がバランスを崩さないように,それこそ大人同士もコミュニケーションを大切にして,彼らの成長を見守っていきたいと存じます.
 学習院高等科はみなさんが未来において行動するための基礎を養う場です.さまざまな機会が提供されるはずです.その機会を生かすためにぜひ自ら一歩前へ出る気持ちを持ってください.積極性を備えて学校生活を送るならば,この3年間はかけがえのないものになるでしょう.過去に十分に考慮されてこなかった事柄はたくさんあります.それが何であったかを見極め,新たな領域を見出すことに挑戦する,それがみなさんのテーマだと考えます.誰かに手を引いてもらうことだけを期待していては,豊かな学校生活を送ることにはならないはずです.反対にもしみなさんが力を養い,自ら前へ進もうとするならば,まわりの人々はそっと背中を後押ししてくれるでしょう.
 高等科新入生のみなさんにとって高校生活が充実したものになり,みなさん自身が予想もしないような大活躍の場ができることを心から願っています.みなさんの一層の発展を祈りつつ,私の告辞とします.

2012年度入学式

入学式が行われました。
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科長告辞
学習院高等科
科長 林 知宏

 新入生のみなさん,入学おめでとうございます.みなさんが入学した学習院高等科は歴史を持った学校です.公には1877年,明治10年の創立です.すでに130年以上の歳月が流れました.現在ある日本の学校の中でも最も古くに作られた学校の一つです.多くの人がここで出会い,多くを学び,たくさんの思い出を胸に刻んで巣立っていきました.本日,みなさんがまた新たに歴史の一ページを加えたことを心からうれしく思います.正門の桜は例年のように,この入学式に合わせるかのように咲き誇っています.自然は今年もわれわれに春の贈り物をもたらしてくれました.正門の桜,新入生,そして新たな一年が始まる.この学校で何年過ごしていても,この入学式の瞬間に感じる気持ちには変わりがありません.学習院という学校は時を越えて人々に支えられ,また人々を支えてきました.この環境は時代が移り,人が集まり散じてなお変わらぬものを備えているはずです.
 昨年3月11日以降,いろいろな課題がこの国を覆っています.解決しなければならない問題はあまりにも多くあります.にもかかわらず,大人たちが運営する社会はスピード感に欠けているように感じるかもしれません.問題が生じている現場では,人々は懸命に取り組んでいます.しかし全体としてはかどっているように見えないのです.過去にできあがった日本のシステムは相応に強固で,あらゆる方向に網の目が張り巡らされています.日本は決して未熟な国ではないはずです.けれども,だからこそ物事が簡単には進んでいかないのでしょう.過去の先例がかえって足かせになることもあります.特に先進国と称される国々は,多少問題点が異なるとしてもみな同じ状況に陥っていると言ってよいでしょう.経済成長とエネルギー問題,高齢化に沿った福祉の充実,社会基盤・インフラストラクチャーの維持と財政負担の軽減,どれも緊急性のある重要課題です.異なる価値観を持った人々の中での合意形成は必ずや困難さを伴います.複数の人間が集まるところでは,方向性の違う利害や異なる欲求が渦巻いています.個人が思い描くことが単純に実現することのほうが稀なのです.みなさんの目から見ると,今は大人たちの世界は単なるブラック・ボックスでしかないかもしれません.そこで何が行われているのか.まだ中身がみなさんたちの前に十分には開かれていないでしょう.
実は,学校はその大人の社会の縮小版です.学校には,年齢の異なる教職員,先輩・後輩との「タテ」の人間関係,そして同級生同士の「ヨコ」の人間関係ができあがっています.一定の集団秩序を守るためのルールがあります.同時に高等科生となって,いくらかの自由度も手にできるようになります.みなさんは自分を取り巻く「社会」とかかわりを持ち,自ら働きかけることもできるようになります.ここでは自分に何ができるか可能性を試すことができます.ただそこでは,望むことと実際に手に入れられるものとのギャップのあることを実感するかもしれません.ときには大いに悩むこともあるかもしれません.行動の自由度を持つことは,何でも自分の思うようになることとはまったく違うのです.みなさんが社会のミニチュア版ブラック・ボックスの中を少しばかり垣間見て,どのようなメカニズムで人間たちが共存していくのか,多くのことを経験を通して学び,自分自身を上手にコントロールできるようにする.そして自分たちと大人たちの社会との距離を定め,そこに向けて歩んでいくこと,それらがみなさんへの期待です.成功よりも,どちらかと言えば失敗から学ぶことが多くあるのではないでしょうか.ただ,それこそが大人になるということの意味だと考えます.
父母保証人の皆様,本日の入学式には学校法人学習院を代表し,波多野院長をはじめ,東園常務理事,森田常務理事,堀口常務理事が出席しております.また来賓として内藤桜友会会長,小堀父母会会長,廣永中高桜友会副会長にもご列席いただいています.私たち学習院高等科の教職員一同,心からご子息のご入学をお祝い申し上げます.高等科の3年間は何より心身が大きく成長し変化する時です.父母保証人の皆様と彼らとの距離感も変わってくることでしょう.父母・生徒・教職員が作る三角形のバランスを保つべくコミュニケーションを密にはかりつつ,彼らの成長を見守っていきたいと存じます.
学習院高等科はみなさんが未来において行動するための基礎を養う場です.さまざまな機会が提供されるはずです.その機会を生かすためにぜひ自ら一歩前へ出る気持ちを持ってください.積極性を備えて学校生活を送るならば,この3年間はかけがえのないものになるでしょう.すでに引かれたレールに乗って何も考えずに動いていくこと,あるいは既成の道を器用に歩くこと,それらは高等科の生徒たちへの期待ではありません.むしろ道のないところに道を切り拓く者になること,そちらを望みます.過去に十分に考慮されてこなかった事柄はたくさんあります.それが何であったかを見極め,新たな領域を見出すことに挑戦する,そのための準備がみなさんのテーマだと考えます.現実の壁がさまざまな形で迫ってくるでしょう.歩みが滞ってしまうこともあるかもしれません.ゆっくり時間をかけて一つ一つステップを踏みしめ,一つ一つハードルをクリアして欲しいと思います.そしてじっくり力を養ってください.
新入生のみなさんにとって高校生活が豊かなものになり,大活躍の場ができることを心から願いつつ,私の告辞とします.




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なお、入学式後に1年主管の紹介などが行われました。


入学式 科長告辞

平成23年度高等科入学式・始業式

科長告辞

学習院高等科

科長 林 知宏

 

 新入生のみなさん,入学おめでとうございます.みなさんが入学した学習院高等科は歴史を持った学校です.公には1877年,明治10年の創立です.すでに130年以上の歳月が流れました.現在ある日本の学校の中でも最も古くに作られた学校の一つです.多くの人がここで出会い,多くを学び,たくさんの思い出を胸に刻んで巣立っていきました.本日,みなさんがまた新たに歴史の一ページを加えたことを心からうれしく思います.311日の地震災害は自然の力の恐ろしさをわれわれにまざまざと見せつけました.その一方で,正門の桜は例年のように,この入学式に合わせるかのように咲き誇っています.これもまた自然がわれわれにもたらしてくれたものです.正門の桜,新入生,そして新たな一年が始まる.いつもの学習院の季節感は今年もきちんと保たれています.

 みなさんにとって311日以降,いろいろな事が変わってしまったかもしれません.われわれが直面している困難は非常に厳しく,解決しなければならない問題はあまりにも多くあります.そこからの回復・脱出を安易に想像することはできません.ただでさえ経済活動が停滞気味であったのに加えて,この国全体が行き場を見失ってしまう危険性さえあります.かつて日本は,昭和の時代に大きく経済的な成長を遂げました.皆さんのご両親が子どものころに感じることができたような社会の展望を,もはや得ることができないのでしょうか.しかしそうした行き詰まりを感じるときだからこそ,自分たちの身の丈を確認し直し,あらためて再スタートすることが必要だと私は思います.そして過去に十分に考慮されてこなかった事柄が何であったかを見極め,新たな領域を開拓することに挑戦する,そのための準備がみなさんのテーマだと考えます.例えば生活水準を保ちながらエネルギーの確保を行っていくことは,長期的には必ず視野に入れるべき問題でしょう.誰も考えつかないことや手つかずのままになっていたことを成し遂げられるならば,これほど痛快なことはありません.そんな人物にみなさんが成長して欲しいと思います.

一方で,世界に目を向けるとこの間も新たな動きがあり,注目を集めました.それは中東・アフリカの諸国で長く続いていた政権が人々の行動によって変わっていったことです.かつてのように指導者や中核になるグループもなく,自然発生的に人々が集まり,声をあげる様子には驚かされました.インターネットを含めて情報手段の変化がもたらしたものであることは多くの人が指摘しているところです.人間の力によっても国という大きな単位で,しかも急激に何かが変わっていくのです.同時にこちらも石油というエネルギー源をめぐる問題が背景にあります.そうしたことが世界の中で起きているのだということもわれわれは気に留めなければならないのでしょう.

すでに引かれたレールに乗って何も考えずに動いていくこと,あるいは既成の道を器用に歩くこと,それらは高等科の生徒たちへの期待ではありません.むしろ道のないところに道を切り拓く者になること,そちらを望みます.もちろんそれは究極の期待です.究極の手前には何段階もいろいろなことがあります.現実の壁がさまざまな形で迫ってくるでしょう.歩みが滞ってしまうこともあるかもしれません.ゆっくり時間をかけて一つ一つステップを踏みしめ,一つ一つハードルをクリアして欲しいと思います.そしてじっくり力を養ってください.

 父母保証人の皆様,本日の入学式には学校法人学習院を代表し,波多野院長をはじめ,新美専務理事,内藤常務理事,東園常務理事,森田常務理事が出席しております.また来賓として内藤桜友会会長,小堀父母会会長,北白川中高桜友会会長にもご列席いただいています.私たち学習院高等科の教職員一同,心からご子息のご入学をお祝い申し上げます.高等科の3年間は何より心身が大きく成長し変化する時です.父母保証人の皆様と彼らとの距離感も変わってくることでしょう.今まで通りの愛情を注ぎつつ,彼らの成長を見守っていただければ幸いに存じます.

学習院高等科はみなさんが未来において行動するための基礎を養う場です.さまざまな機会が提供されるはずです.その機会を生かすためにぜひ自ら一歩前へ出る気持ちを持ってください.積極性を備えて学校生活を送るならば,この3年間はかけがえのないものになるでしょう.特にここで人と人の関係を築くことは何より大事です.年齢の異なる教職員,先輩・後輩との「タテ」の関係,そして同級生同士の「ヨコ」の関係は,おそらくみなさんにとって最大の財産になっていくはずです.

新入生のみなさんにとって高校生活が豊かなものになり,大活躍の場ができることを心から願いつつ,私の告辞とします.

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入学式

満開の桜の中、入学式が行われました。
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  1年生の主管の発表
   1A 町田先生
    1B 坂下先生
   1C 岩垂先生
   1D 水野先生
   1E 下田先生

  です。








2010年度入学式が行われました

2010年度入学式が行われました。

nyuugaku9999.jpg今年度より新科長に林先生が就任されました。

nyuugaku031.jpg1年生の主管が発表されました。
         A組 會田先生、
         B組 白川先生、
         C組 大竹先生、
         D組 島田先生、
         E組 松濤先生 です。      

nyuugaku106.jpg新しい留学生の紹介が行われました。
AFS留学生のダニエル君と

nyuugaku117.jpgセントポールズ校協定留学生のネート君です。

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